6/07/2010

パリ 山田稔


この街では、住人のだれもが異邦人として、孤独をおのれの影のようにひ きながら暮らしていた。一方では他人とのかかわりを慎重に避け、たがいに警戒し合ってすらいるそれらの人々が、しかし他方では、他人か
らの呼びかけをひそ かに期待してもいることを、やがてわたしは知るようになった

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